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震災復興住宅プロジェクトを始動しました

このたび、長谷川建築デザインオフィス及び有志のメンバーで、震災復興への足がかり、支援活動として震災復興住宅プロジェクトを始動しました。

大地震に伴う津波によって、生活の場所や、生業さえ失ってしまった大勢の方々にむけて、仮設住宅の建設がはじまりました。

被災した方々が待ち望んでいる、安心して暮せる「すみか」をいかに提供して行くか。専門家も交えた語らいが水面下で多数持たれている事が推察されます。

中央地域会所属の長谷川デザインと長谷川が理事を務める「建築家住宅の会」・トーキョーインタラクティブでも、早速、思索を巡らし、分析や具体的なアイデアのスケッチをはじめています。
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まず、私たちは、この震災復興への応急住宅を「仮設住宅」と呼ぶことをやめました。

仮設住宅の位置づけは、短期間に使用する住まいを指します。あらためて指摘するまでもなく
この表が示すように、恒久住宅へ移動する事が前提となった「仮住まい」です。

ところが、今回は恒久住宅の建設までたどり着く道筋は容易ではない。険難の道です。

「仮設住宅」ではなく「被災者住宅」と位置づけて、その中身を生活者側の事情にあわせて三つに分解してみました。

現在の供給がはじまっている「仮設住宅」では、中長期の生活には問題がおこる危険性が高いといえる「C」のタイプ。
私たちの取り扱う中心テーマにしました。
今後より詳細な数字が発表されますが、ケンプラッツ情報では下記のような必要戸が示されています。そのうち、弱者を抱える所帯数の多さには目を見張ります。
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阪神・淡路の震災における「仮設住宅」の問題点を指摘するレポートには、このたびの被災地と都市的な文脈が相違しますが、多くを学べます。一読下さい。
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過去の「仮設住宅」に共通する問題は明らかで、実現は困難かもしれませんが、問題解決しなければならないポイントは、かなり明らかです。問題の中心は「こころケア」に結べるような生活空間のあり方に集約されるといえましょう。
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従来型はけっして避難されるようなものではなく、被災者にはとてもありがたい住居でしょう。このパターンでは南北の軸に縦に住戸をならべ、それぞれの住戸は直接は「南面」せず、西ないし東に縦列させ、隣棟間距離の狭い多数の住戸棟に、均等に日を当てる手法がとられます。中長期にわたって暮らしを重ねると、多くの問題が浮かび上がるのは、日照の悪さと断熱性能の劣悪さが生む「暖かさ涼しさ」にかかわる問題と、コミュニティーとしての計画の希薄性。端的に「配置」のあり方に多く起因します。
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被災者住宅の建設場所は、やすやすと多数の住戸棟を設置する広い場所が希少なため、少し離れた地域や、棟数に対してフィットしていない大きさの敷地に半ば強引に設置されます。であれば、小さな集落を、まとまった大きさを持たない広場に分散させることもひとつかもしれません。従来型の仮設住宅でも「配置」や設置戸数を再考するだけで、豊かな集落ができあがるのではないでしょうか。
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応急住宅は従来型の「プレハブ」的な構法によるものだけでなく、コンテナハウスや移動型シェルターなど、さまざまな「商品」がありますが、もともとの「自分の土地」に再建が難しい場合、いずれの住処を設置するに際し、贅沢はいえませんが、少しでも人間的な集落づくりを考慮するだけで、孤独死の問題、プライバシーの問題も、克服できる可能性が見えてきます。現状批判や分析と同時に、すこしずつエスキースをしていきましょう。可能性の在るアイデアを持ち寄って、長期にわたって被災者の暮らしをサポートして行く「すみか」のあり方をスケッチして持ち寄りましょう。
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ここで示しているのはひと色の住居パターンに押し込めるのではなく被災されたかたの立場や人数構成で最適解が「選べる」ということを考えました。すなわち、家族関係、あるいは他人同士、あるいは入居人数によって、生活空間を変化さえ得るということです。見かけや大きな構造は同じ家です。
1)50m2の家になったり、25m2がふたつになったり、片方が30で片方が20になったりします。
2)水回りを共有するコレクティブハウスのような使い方、グループホームのような使用もできます
3)小さな中庭があります。通風や採光に役立てつつ、小さな庭を持っている感覚です。
4)4間(1.8m×4)四方でこうした間取りは可能になります
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ではその4間(1.8m×4)四方をどのようにつくるのか。ここからは技術論です。
1)既存のプレハブパーツを工夫して組み合わせてはどうか
2)小径木といって、ふだんは「構造」にはもちいない材料を工夫して使ってみよう
3)この住居が使命を負えた後は、循環使用できる仕組をつくべき
4)生業を失ってしまった方々の労働を、この「すみかづくり」に活かせるような、作り方として簡便で、被災者住宅をこしらえることが、関わる地元の方々の収入源になるしくみにつなげてはどうか。

まだまだスケッチですから詰めが甘いですが、5年、10年あるいは15年住み続けざるを得ない方が、阪神の仮設住宅ではいらっしゃいました。その事実を受ければ、いずれ迎える、現在の仮設住宅では受け止めきれない問題、あるいは、圧倒的に足りないであろう供給数を補足する動きに、これからの思索は、まだまだ間に合うでしょう。

こうした思索をマザープロジェクトの皆さんと重ねあわせ、更におおきなうねりにしたいと望んでいます。

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このプロジェクトに参加して、ささやかながらでも震災復興へのお手伝いがしたいとお考えの方はどうぞメール下さい。

トーキョーインタラクティブ事務局/インタラクティブコンセプト内
メールアドレス/interactive-concept@co.email.ne.jp
トーキョーインタラクティブ/長谷川順持  宛
by CHUOUCHIIKI | 2011-03-25 01:13 | 新着情報
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